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【マラソン当日の食事】完走・自己ベストを支える朝食と補給のポイント(管理栄養士Q&A)

レース当日の朝、何を食べればいいのか迷った経験はありませんか?
実は、マラソンの結果を左右する大きな要素の一つが「当日の食事」です。何を、いつ、どのように食べれば、最後まで走りきることができるのでしょうか。

今回は、株式会社M&Aベストパートナーズの実業団チーム「MABPマーヴェリック」で管理栄養士を務める山本明日香さんに、レース当日の食事について伺いました。

マラソン当日の食事の基本

Q1. そもそも、レース前に食事は摂った方がいいのでしょうか?

A. はい、摂った方がいいと思います。
お腹いっぱいまで食べるというよりかは、腹八分目くらいに抑えて、走れる体を作っていきたいですね。食事を抜くと、途中で低血糖になったり、体が動かなくなったりするリスクがあります。
エネルギー源となる糖質をしっかり補給し、体に「ガソリン」を満たした状態でスタートラインに立つことが大切です。

Q2. 朝食はスタートの何時間前までに済ませるのが理想ですか?

A. 理想はスタートの3〜4時間前です。
食べ物が消化・吸収されるには時間がかかります。
遅くとも2〜3時間前までにはメインの食事を終えておきましょう。

マラソン当日のエネルギー補給

Q3. レース当日の朝食、おすすめのメニューは?

A. 糖質が多く、消化に良いメニューがおすすめです。
例えば
・ご飯(おにぎりなど)
・お味噌汁(塩分補給)
・バナナ(すぐにエネルギーになる)
などは塩分補給やエネルギー源として効率よく利用されます。
一方、揚げ物など脂質の多い料理は消化に時間がかかるため、レース前は避けるのが安心です。

Q4. 走る距離(10km・ハーフ・フル)によって食事は変えるべき?

A. 10km~ハーフマラソンは普段通りでOKですが、フルマラソンは事前の準備が重要です。
フルマラソンでは、前日の夜から

  • ご飯を多めにする
  • スープに麺を入れる

など、糖質を増やす「カーボローディング」を意識するといいと思います。カーボ=糖質は、車で言うとガソリンのようなもの。つまり、走るためのエネルギー源になります。貯められる量は決まっているので、食べ過ぎには要注意が必要ですがいつもより少し多めに取るのがいいでしょう。
この時にパンではなくご飯やおにぎり、うどんなど消化のいいものがおすすめです。
走る時間が長くなるほど、エネルギー切れを防ぐ補給が重要になります。

Q5. 山本さん自身のレース前の実際に食べている「勝負飯」はありますか?

A. 私の勝負飯はおはぎです。おはぎは、お米と小豆(あんこ)から多くの糖質(ガソリン)を摂取でき、非常に効率が良い食べ物です。私がトレイルランニングの100マイルレースやフルマラソンで好成績だったときも、おはぎを食べていました。
レース前におすすめしたい食べ物はお味噌汁です。お味噌汁は、身体を内側から温め、そして走る時に失われがちな塩分もしっかり補給でき、パフォーマンス向上に繋がります。

また、トップ選手の中にはコンビニのカステラをルーティンにしている人もいます。
「これを食べれば調子が良い」という自分なりのルーティンを見つけると、緊張しても精神的に落ち着きやすくなります。

マラソン当日の失敗を防ぐ

Q6. 初めての大会で「これだけはやってはいけない」失敗談は?

A. 気合を入れすぎて、食べ慣れないものを食べることです。
「勝つためにカツ丼」など気合いの入った食事は、揚げ物で胃腸に負担がかかるためレース前には向きません。また、生ものは食あたりのリスクもあります。
レース当日は、これまでの練習で食べ慣れている「いつもの食事」が一番安心です。
これを食べれば調子が良いというものは、人それぞれ体質にもより違うと思いますので、ぜひ色々試してみつけて頂きたいです。

Q7. スタート直前(30分〜1時間前)にお腹が空いた時は?

A. 胃に負担の少ない補給食を少量取りましょう。
おすすめは

  • ゼリー飲料
  • エネルギージェル

朝食を腹六分目にして、スタート1時間前にゼリーを1個補給するといった方法もあります。
ゆっくり走るランナーなら、アメやラムネ、キャラメルなども手軽なエネルギー補給になります。

Q8. レース中にお腹が張ったり、ガスが溜まったりするのが不安です。

A. 「FODMAP(フォドマップ)」を意識して、特定の食品を控えてみてください。
FODMAPは、腸の中で発酵しやすく、お腹の張りやガス、下痢、腹痛などを引き起こしやすい糖質グループのことです。
例えば

  • 小麦製品(パン・パスタなど)
  • ヨーグルトなどの発酵食品
  • ゴボウなど食物繊維の多い食品

などは、人によってお腹の張りやガスの原因になることがあります。
また、カフェインの多い飲み物も、胃に負担をかけやすいためレース前は控えると安心です。

最後にランナーのメッセージ

食べ物によって当日の体調は大きく変わります。せっかく積み上げてきた練習の成果を出し切るために、当日の食事で失敗することは、本当にもったいないです。気合いが入って、食べ慣れないものに挑戦したくなるかもしれませんが、胃腸に負担をかけない「いつもの食事」こそが、最高のコンディションを作ります。しっかり意識をして万全の状態で、何より当日は楽しく走ってもらえたら嬉しいです。皆さんの完走と笑顔でのゴールを応援しています!

EDITOR編集者

RUNNEW 編集部

陸上専門メディアサイト

RUNNEW(ランニュー)は、トラック競技からマラソン、駅伝まで、陸上競技の魅力を深く掘り下げる専門メディアです。陸上を愛するすべての人に、新しい発見と感動を共有します。

SUPERVISOR監修者

山本 明日香さん

MABPマーヴェリック / 管理栄養士

MABPマーヴェリックの管理栄養士として日々選手の健康とパフォーマンスを食事の面からサポート。 マーヴェリック食堂でInstagramのアカウント(@maverick_shokudou)を運営。 日々の食事内容や料理風景、レシピ動画などを発信中。 走ることも趣味で自分自身もマラソンやトレイルランニングなど楽しく走り続けている。 マラソンの自己ベストは3時間2分。 トレイルランニング100mile完走、2024FUJIニューヒーロー賞受賞。