「フルマラソンにエントリーしたけど、完走できるか不安…」「練習がキツくて挫折しそう」 そんな悩みを持つ初心者ランナーの皆さん、安心してください。
今回は、MABPマーヴェリック所属の堀尾謙介選手に「マラソンを笑顔で完走するための秘訣」についてお話を伺いました。「練習のコツ」から「自分へのご褒美」まで、フルマラソンに挑戦するみなさんは参考にしてみてください。
マラソンの準備:最高の状態でスタートラインに立つために
最高の状態で、不安のないままスタートラインに立つために大切にしていることは何ですか?
まず、練習期間を最低でも3ヶ月は設けるようにしています。マラソンは準備において誤魔化しが効かない競技だと思っているので、3ヶ月間、毎日少しずつ積み重ねて体を仕上げていくことが、スタートラインに立った時の自信に繋がります。直前で焦って練習することは、怪我へのリスクに繋がります。
具体的にどのような練習をされているのでしょうか?
直近で一番うまくいった例(2023年のパリオリンピック選考会)では、最初の1ヶ月半は距離を重視し、月間900km〜1000kmほど走り込みました。ラスト1ヶ月半は、レースペースを楽に感じるために、それ以上の速いペースで短い距離を走ったり、体がきつい状態でレースペースでの20km走を行ったりして、スピードに対する恐怖心をなくすようにしました。
練習の継続とモチベーションの秘訣
本番に向けて初心者はどのような目標設定をすればいいですか?
自分に合った目標設定が大切だと思います。短期と長期2つの目標を立てるといいと思います。
例えば…
- 短期目標:今日は何km走る。
- 長期目標:フルマラソンを完走する。タイムを狙うなど。
- 頑張れば達成できる短期と長期の目標に分けて立ててみてください。

練習を継続し、走り続けるための秘訣はありますか?
僕はルーティン化していますが、続けるのがしんどいという方は「その日走ったら自分にご褒美をあげる」というつもりでやるといいと思います。お酒が好きなら「走ったらビール1本」、甘いものが好きなら「帰りにコンビニでスイーツを買う」といったことでいいんです。そういう小さなことが自信や継続に繋がります。
あとは、走り出すまでが一番大変ですが、一度走り出してしまえば楽しいし気持ちがいいものです。特に朝はリフレッシュできて、その日一日がとても充実します。夜に走る方も、走り終わった後のご飯の美味しさや寝つきの良さをイメージして、まずは一歩、外に出てみてください。
30km走の意味と「休養」の重要性
本番1ヶ月前の「30km走」にはどのような意味がありますか?
30km走をやることで、距離への安心感が生まれます。練習を積んで体がきつい状態でも、30kmをある程度余裕を持ってこなせれば、42kmという距離に対しても自信を持つことができます。
休養(リカバリー)についてはどう考えていますか?
僕はレースの1ヶ月前には、必ず2日間の完全休養を入れるようにしています。ずっと頑張り続けていると疲労を感じにくいのですが、一度休むことで溜まっていた疲労が一気に出てきます。これを出すのが大切です。 筋肉の回復(超回復)には42時間〜72時間かかると言われています。2日間休んで体をリセットし、そこから少しずつ調子を上げて本番に合わせます。休みがあるからこそ、その前のハードな練習も頑張れる。僕は「休まないと頑張れない」タイプでして(笑)。
道具と食事について
シューズは本番直前に新調しますか?
僕は本番の数日前の最終調整の練習から履き始め、少しだけ鳴らして本番に挑みます。ただ、市民ランナーの方であれば、1〜2週間前の大事な練習で2〜3回履いておく方が、足に馴染んで靴擦れなどのトラブルも防げると思います。
レース前の食事で気をつけていることは?
僕は特別なカーボローディングはしませんが、2日前くらいからお腹が空いたら積極的に糖質を摂るようにしています。前日の夜はしっかり食べて、当日の朝にお腹が空いていなければ、糖質ジェルなどを活用します。 大切なのは、レース中に「お腹が空いた」と感じる前に糖質を入れることです。ハーフ地点くらいでカフェイン入りのジェルを飲むようにしています。スタートラインに立った時に少し体がむくんでいる(体重が1〜2kg増えている)くらいが、エネルギーが蓄えられていて終盤に体が動く、ちょうど良い状態だと思っています。

最後に、ランナーへのエールをお願いします。
僕自身は、本当に好きなこと以外続けられない性格ということもあり、好きではないと何も頭に入ってこず、行動に移すことができません。一番大切なのは、まずは走ることを「楽しむこと」「好きでいること」だと思います。そして、無理な目標ではなく、頑張れば達成できるような目標を立てることです。目標があれば人はより頑張れます。一歩ずつ進めば必ずゴールに近づけます。皆さんのフルマラソン挑戦を応援しています!