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走るのが「苦しい」から「楽しい」に変わる|3代目山の神・神野大地が教える“笑顔で走り続ける心の整え方” 

フルマラソン完走を目指す初心者の方の多くが、「練習がつらい」「本当に走りきれるのか不安」と感じています。 特に走り始めたばかりの頃は、楽しいより苦しいが勝ってしまうものです。 
今回は、“三代目山の神”として知られる神野大地さんに、 
記録だけではない「走る喜び」の見つけ方と、挫折を乗り越えるメンタル術を伺いました。 

ランニングはメンタルに効果がある? 

Q1. 走ることで前向きになれる瞬間はありますか? 

神野さん:ランニングは、頑張った分だけ結果が返ってくるというシンプルさがあります。 
仕事や日常では、努力が必ずしも成果に直結するとは限りません。 
ですがランニングは、やった分だけ確実に自分に返ってきます。 

たとえば 
・走った直後に気持ちが前向きになる
・昨日より少しでもタイムが伸びる 
・決めた距離を最後まで走りきれる  

こうした一つひとつの積み重ねが、「自分はできる」という感覚につながっていきます。 
それが、人生を豊かにしてくれる理由だと感じています。 

Q2. 走ることは日常生活にも良い影響がありますか? 

神野さん:「やらなかった後悔」がなくなるのが大きいです。 
どんなに気分が乗らなくても、走り終わった後に後悔することはありません。 
むしろ走らなかった日は、「やっておけばよかった」とモヤモヤが残ります。 
「今日の自分から逃げなかった」という感覚が、小さな自信につながっています。 

ランニングが続かない時の原因と対処法

Q3. 結果が出ないとき、どのように乗り越えたらいいですか?

神野さん:結果が出ないときは、ただ続けるだけでなく、「やり方を少しずつ変えていくこと」がいいと思います。 
同じ練習を繰り返すだけではなく、 

たとえば 
・走る距離やペースを少し変えてみる 
・練習する時間帯を変えてみる 
・休養の取り方を見直してみる 

このように、いつもの練習にすこし変化をつけてみてください。 
マラソンは、やったことがそのまま結果に出る競技です。 
だからこそ、結果が出ない時期は「積み上げの途中」とも言えます。 

意識しておきたいことは、次の3つです。 

・マラソンに“まぐれ”はない 
・結果が出ない時期は誰にでもある 
・続けた人だけが結果を出せる 

周りの記録を見ると焦ることもあると思いますが、その人も必ず努力を積み重ねています。  
今の自分にできる工夫を続けていくことが、結果につながっていくと思います。 

Q4. SNSや情報との向き合い方は?

神野さん:「情報は遮断するのではなく、使い分けること」が大切です。 

・一時的な情報に振り回されない 
・一度ではなく、実際に何度か試して判断する 
・信頼できる人の意見を参考にする 

SNSやAIも、自分の練習や状態を継続的に学習させて精度を高めていくとプラスに働くと思います。
正しく使えば不安を減らすツールになります。

ランニングが楽しくなるコツ

Q5. 初心者が最初の壁を越えるには?

神野さん:初心者の方が最初に感じる「苦しさ」は、誰もが通る壁だと思います。 
「本当に自分は走れるようになっているのかな」と不安になることもありますよね。 
練習をしていても、成長している実感が持てずに、モチベーションが下がってしまうこともあると思います。 

そんなときにおすすめなのが、大会にエントリーしてみることです。 
レースに出場することで、タイムや順位という形で、自分の現在地を確認できます。 
完走できたときや、少しでも記録が伸びたときには、「ちゃんと前に進んでいるんだ」と実感できます。 

もう一つは、ランニング仲間を見つけることもいいと思います。 
同じ目標を持つランナーと一緒に走ることで、「もう少し頑張ってみよう」と自然と思えるようにもなります。 
これらの体験が、「また走ってみよう」という気持ちにつながっていくと思います。

Q6. 習慣化するためのコツは

神野さん:大切なのは、考えなくても走れる状態をつくることです。 
続かない理由の多くは、始めるまでが面倒だからです。 
ランニングも同じで、外に出る前のちょっとした迷いが、やらない理由になってしまいます。 

たとえば朝、「何を着よう」「どこを走ろう」と考えているうちに、気持ちが途切れてしまうことはよくあります。 
だからこそ、あらかじめ準備をしておくことが大切です。 

・前日のうちにウェアを準備しておく 
・走るコースをあらかじめ決めておく 

こうしておくと、「起きたらそのまま走るだけ」の状態になります。 
最初の一歩さえ踏み出せれば、意外と体は自然に動き出します。 
習慣化のコツは、頑張ることではなく、迷う余地をなくすことです。 

Q7. 今日からできる工夫はありますか?

神野さん:まずは、気軽に外に出ることからやってみてください。最初からしっかり走ろうとしなくて大丈夫です。 
たとえば「5分だけ歩いてみよう」くらいの気持ちで外に出てみてください。少し歩いてみて、「今日はいけそうだな」と思えたら、5分だけ走ってみる。 
それくらいの軽いスタートで十分です。 

走っている途中は、景色を楽しむことも大切です。季節の変化や街の雰囲気に目を向けるだけでも、気分は大きく変わります。 
そして走り終わったあとは、自分にちょっとしたご褒美を用意してあげてください。 
その時間も含めて、ランニングの楽しさだと思います。  
運動した後の食事やお酒は、普段よりも格段に美味しく感じられます。

走れないときの向き合い方

Q8. 怪我や不調のとき、どう考えればいいですか?

神野さん:怪我や不調は、「チャレンジした証」だと考えています。 
思うように走れないと、不安になったり焦ったりすることもあると思います。 
でもその時間は、自分の体と向き合うために必要な期間でもあります。 
無理に走るのではなく、まずはしっかり回復することが大切です。 

そしてその期間を、「何もできない時間」ではなく「体を整える時間」と捉えてみてください。 
たとえば、体幹トレーニングやスクワットなど、普段あまりできない補強に取り組むことで、土台を見直すことができます。 
実際に僕自身も、怪我をきっかけに体の使い方を見直し、復帰後に自己ベストを更新できた経験があります。

笑顔で走るためのメッセージ

最後にメッセージをお願いします

神野さん: マラソンは「喜怒哀楽すべてを感じられるスポーツ」です。 
苦しさや悔しさに向き合ったからこそ、達成したときの喜びは大きくなります。 
42.195kmは決して簡単ではありません。 だからこそ、完走したときには自分を誇れる瞬間が待っています。その経験は、人生をより豊かにしてくれるはずです。 
この達成感を大人になっても多くの方に感じてほしいと思っています。 
皆さんの人生をより笑顔で輝かしいものにしてくれると信じています。

今回お話を伺ったトップアスリート 
神野大地(かみの だいち)選手 

MABPマーヴェリック所属 

1993年愛知県津島市出身のプロランナー。中京大学附属中京高校、青山学院大学卒業。 

2015年箱根駅伝では5区(山登り)で区間新記録を樹立し、チームの初優勝に貢献。「三代目山の神」と称される。2019年アジアマラソン選手権優勝。マラソン自己ベストは2時間9分34秒。現在はM&Aベストパートナーズ陸上部MABPマーヴェリック(https://mabp-maverick.jp/) の選手兼監督として、「陸上界に新しい道を切り拓く」を理念にニューイヤー駅伝優勝を目指す。 

EDITOR編集者

RUNNEW 編集部

陸上専門メディアサイト

RUNNEW(ランニュー)は、トラック競技からマラソン、駅伝まで、陸上競技の魅力を深く掘り下げる専門メディアです。陸上を愛するすべての人に、新しい発見と感動を共有します。

SUPERVISOR監修者

神野 大地さん

MABPマーヴェリック / プレイングマネージャー

MABPマーヴェリック所属 1993年愛知県津島市出身のプロランナー。中京大学附属中京高校、青山学院大学卒業。 2015年箱根駅伝では5区(山登り)で区間新記録を樹立し、チームの初優勝に貢献。「3代目山の神」と称される。2019年アジアマラソン選手権優勝。マラソン自己ベストは2時間9分34秒。現在はM&Aベストパートナーズ陸上部MABPマーヴェリック(https://mabp-maverick.jp/) の選手兼監督として、「陸上界に新しい道を切り拓く」を理念にニューイヤー駅伝優勝を目指す。